がん薬物療法の豊富な専門知識と経験を持った
腫瘍内科医が中心となって診療を行います

臨床腫瘍科のご紹介

診療科の概要

臨床腫瘍科は４大がん治療のうち、薬物療法（化学療法）と免疫療法（免疫チェックポイント阻害剤）を担当します。
がんの診断の時期、進行病期（ステージ）、進行状態などは患者さんごとに異なるため、外科手術や放射線治療の適応があれば、これらを組み合わせた集学的治療を提案するのも当科の役割です。
そのため、患者さんごとに他科と連携して最適な治療方針を提供しています。薬物療法に関しては日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医（腫瘍内科医）を中心に治療方針決定から臨床実地まで行い、専門性の高い医療を提供しています。
臨床腫瘍科はがんゲノム診療科と緩和ケア科と連携しています。
がんの標準療法が効かなくなった場合でも患者さんの状態が安定していれば、がんゲノム診療科で遺伝子パネル検査を行い、新薬・治験などの治療選択肢がないか模索する体制が整っています。
一方、がんに伴う症状の緩和については緩和ケア科と医療連携支援センターのサポートのもと患者さん・ご家族のQOL を高められるように心がけています。

ご挨拶

準備中

診療について About Medical Treatment

患者さん一人一人のニーズに応えられるように当科は他診療科と密接に連携を行い、また医師、看護師、薬剤師がチームとなって治療を続けていくためのサポートをします。また、がん患者さんに対する運動の影響をテーマにがん患者さんが自覚する倦怠感の改善に運動がどの程度貢献するのかについて、リハビリテーション科と協力して研究を行っており、治療中・治療後のがん患者さんの運動レベルや生活の質QOL が改善することを目指しています。

スタッフ紹介

  • 浜本　康夫

    教授、診療科長　H7年卒

  • 末永　光邦

    准教授　H9年卒

  • 加納　嘉人

    講師　H17卒

  • 藤原　俊

    医員　H26卒

  • 内藤　喬浩

    医員　R2卒

内科・腫瘍内科専攻医募集

  • 教育・体制

    専門性の高い診療の提供と教育・人材育成に重点をおいています。

  • 研究

    消化器がん薬物療法の新規治療
    消化器がん薬物療法の有効性と副作用に関する予測因子
    がんサバイバーにおける倦怠感に対する運動の有用性

入局・研修のご案内

東京医科歯科大学臨床腫瘍科は2022年4月に新設された非常に新しい診療科です。

当科では消化器癌を中心とした臓器横断的ながん薬物療法の臨床経験を身につけることが出来ます。また東京医科歯科大学がんゲノム診療科や緩和ケア科と連携した診療、さらには基礎研究や臨床研究に携わる機会があります。

新専門医制度における内科専門研修終了または終了見込みの先生方

日本臨床腫瘍学会の研修カリキュラムに則り、腫瘍内科領域専攻医としてサブスペシャリティ取得を目指します。

新専門医制度対象外の先生方

日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医取得を目指します。

令和5年度の医員を募集

腫瘍内科を目指す方、一定期間がん薬物治療の研修をしたい方、いずれも大歓迎です。

随時、医局長（co.conc@tmd.ac.jp）へご連絡ください。
初期研修終了時（内科専門研修開始時）に入局をお考えの先生に対しても個別にご相談させて頂きます。

お知らせ・新着情報

医員募集

新規入局者募集中です。ご興味のある先生は、お気軽にまずご連絡をください。

東京医科歯科大学の臨床腫瘍科の特徴

  • 腫瘍内科として薬物療法（化学療法）と免疫療法（免疫チェックポイント阻害剤）を担当します。
  • がん薬物療法専門医（腫瘍内科医）を中心に専門性の高い医療を提供しています。
  • チーム医療により患者さん一人一人のニーズに応えられるようにサポートをしています。
  • 専門性の高い診療の提供、教育・人材育成と臨床研究に重点をおいています。
  • 消化器がんをはじめ、頭頸部がん、胆嚢・膵臓がん、希少がんなど数多くの症例が経験できます。
  • 個人の希望に合わせたキャリアパスを設計します（国内外留学の相談に応じます）。
  • 当科は女性に優しい医局を目指します。

臨床腫瘍科では、本学のみならず他大学医学部学生（５年生、６年生）を対象に病棟見学および、実習の希望をお受けしています。夏期休暇に限らず、ご希望の方は以下よりご連絡下さい。

見学の案内・申し込み

東京医科歯科　臨床腫瘍科では、見学を随時受入れています。特に水曜日にはカンファレンスが行われるため、科の実際の雰囲気に触れやすく、外来や病棟も見学していただけます。

医学生の方へ

当院での初期研修を希望されている方は、総合教育研修センターのホームページよりお申し込みください。個別診療科の見学については診療科見学申し込みフォームへ進み臨床腫瘍科を選択してお申し込みください。

初期研修医の方へ

現在初期研修中（卒後1～2年目）で、後期研修（内科専門研修専攻医）を希望される方は、まず当科の見学を検討ください。見学の申し込みは総合教育研修センターの申し込みフォームよりお願いします。

後期研修医およびそれ以降の方へ

現在後期（内科専門）研修中で、今後当科入局をご検討中の方も、診療科見学をご希望の場合は、総合教育研修センターの申し込みフォームよりお申し込みください。

臨床腫瘍科で研修された先輩たち

東京医科歯科大学　消化器内科　森川　亮先生

研修期間：2022年4月から2023年3月

森川先生は消化器内視鏡の専門医で、研究は消化器免疫がご専門です。

診療
1年間で消化器がんなど、多くのがん薬物療法症例を経験し、治療方針決定から、副作用マネジメントまで幅広く習得しました。さらに緩和ケアの患者さんも多く受け持ち、終末期医療の重要性も学びました。
研究
消化器免疫が専門であり、現在トピックの免疫チェックポイント阻害剤の当院のデータを臓器横断的な観点から消化器関連有害事象の予測因子について、国内外の学会で発表しました。

  1. Ryo Morikawa et al. Identification of risk factors for gastrointestinal irAEs associated with immune checkpoint inhibitors. 20th the Japanese Society of Medical Oncology Annual Meeting 2023.03.16 Fukuoka
  2. Ryo Morikawa et al. Identification of risk factors for gastrointestinal irAEs associated with immune checkpoint inhibitors.. 2023 ASCO GI Cancers Symposium 2023.01.19 SF, US
応援メッセージ
1年間の経験を今後の診療に生かして、消化管腫瘍の若手ホープとして研究も臨床も極めて欲しいと思います。

東京医科歯科大学　口腔外科　野地　理夏先生

研修期間：2022年4月から2023年3月

野地先生は口腔外科の大学院生で頭頸部癌のがん薬物療法について研究もしながら学びました。

診療
頭頸部がんのがん薬物療法症例を多く経験し、治療方針決定から、副作用マネジメント、終末期医療について学びました。また、がんゲノム診療に関する知識と経験も豊富にあり、臓器横断的な治療アプローチの考え方についても磨きがかかりました。
研究
頭頸部癌の網羅的遺伝子解析と免疫療法の臨床研究が主なテーマであり、研究成果を国内学会発表、国際ジャーナルに発表し、学位も見事に取得されました。
  1. Rika Noji, et al. Monitoring for Immunotherapy in Head and Neck Cancer by Liquid Biopsy. 2023 the Japanese Society of Medical Oncology 2023.03.17 Fukuoka
  2. Rika Noji, et al. Comprehensive Genomic Profiling Reveals Clinical Associations in Response to Immune Therapy in Head and Neck Cancer. Cancers. 2022.07; 14 (14)
応援メッセージ
アートとサイエンスを兼ね備えた次世代の口腔がん治療を担う口腔外科医として活躍して欲しいと思います。

取り扱う主な疾患

  • 大腸がん（ 結腸がん、直腸がん、肛門管がん
  • 胃がん
  • 頭頸部がん（口腔がん、唾液腺がん）
  • 胆道・膵臓がん
  • 希少がん（原発不明がん、軟部肉腫など）

診断・治療法

  • 大腸がんの術後補助化学療法
  • 進行・再発大腸がんに対する全身化学療法
  • 局所進行直腸がんに対する術前の集学的治療（化学放射線療法、化学放射線療法と全身化学療法を組み合わせるTotal Neoadjuvant Therapy (TNT)）
  • 切除可能な転移性大腸がんに対する集学的治療（術前化学療法、術後補助化学療法）
  • 切除困難な進行・再発大腸がんに対する全身化学療法とconversion surgery (外科切除)
  • 肛門扁平上皮がんに対する化学放射線療法
  • 進行・再発胃がんに対する全身化学療法
  • 頭頸部がんに対する免疫チェックポイント阻害剤、分子標的治療、集学的治療
  • 胆膵がんに対する全身化学療法
  • 希少がんに対するがん遺伝子パネル検査、全身化学療法（がんゲノム診療科との連携）

臨床試験・研究

全国規模の各種臨床試験・治験に参加しています。詳しくは当科HPをご参照ください。